「若いうちはリスクを取れる」という考え方は、一見もっともらしく聞こえるものかもしれません。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
「若い人」と言っても、一人一人置かれた環境が異なります。
一括で考えるのは正しいのか?
今回は『年齢と共にとれるリスク』について考えます。
年齢と共にとれるリスクが変わるのか
古くから伝わる資産比率の決め方として、「100-年齢」で株式比率を決める方法があります。
30歳なら、金融資産の70%を株式で持ち、60歳なら40%を株式にする、という考えです。
一般的という意味では正しいのですが、個人個人の年収には大きな差があるので、この方法を全てのケースに当てはめるのは難しいです。
年収1000万円の70%と年収300万円の70%では重みが違います。
また、年齢や年収が同じであっても、健康状態、家族構成も異なる場合は、リスクが取れる割合も異なってくる可能性が大きいです。
もちろん、資産運用に対する考え方も違うでしょう。
若いほうがリスクが取れる
年齢の若い人は多くの時間が残されています。
投資は元本、または複利の力を活かすことが重要です。若い人は元本が少ないケースが多いですが、時間は多くあります。
複利には時間がかかります。その点では、若人の方が複利の力を利用することが出来ます。
また若い人には「人的資本」があります。これから稼ぐことができる期間が長いので、多少の損失を被っても補填する余裕があります。
もちろん、損失がなければ追加投資ができるので、より複利の力を活かせます。
全てではありませんが、傾向として、若い人の方が高齢者よりも、金融資産の保有額が小さいです。
元本が少ないと投資効果も少ないため、リスクを大きく取って、かつ時間を味方につける必要が出てくるのです。
例外として、若くして金融資産を多く持っており、これから増やす必要がない人は低リスクで構いませんが、そんな人は一握りでしょう。
お金持ちの高齢者もリスクを取れる
お金持ちの高齢者であれば、株式で高リスクを取ることは可能です。
その場合、生活できる分だけ残して、後は株式に投資しても損失で行き詰まる事はないでしょう。
まあ、そんな人は投資する必要すらないと思いますが・・・。
最後に
「100-年齢」という考えは一般的には正しくても、すべての人に当てはまる訳ではありません。
その人の置かれている環境によって、リスクを取れる割合は変わってきます。
大事なのは、自分の状況をしっかりと理解し、取れるリスクを考えることです。
周りに流されるだけでは、何事も上手くいきません。