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株初心者入門その④:約定(株の売買)の仕組み

投資

約定(株の売買)の仕組み


不労所得には憧れるけど、株式投資は難しそう、何から始めればよいのかわからない方へ。
株式の取引を始めるにあたり知っておいた方が良い知識、何から始めれば良いのかを数回に渡り説明します。

初心者はもちろん、学生さんにも見てもらいたいです。
投資は時間が武器です。早く始めるに越したことはありません。


今回は『約定』です。


株式を売買する際に、取引所で行われる仕組みです。
知らなくても取引はできますが、知っておくと少し有利な価格で売買できたりします。

 

 

約定とは


約定とは、株式取引などの売買が成立することをいいます。
株式取引の場合、注文をしてもそれに応えてくれる投資家がいないと取引が成立しません。
買いたい人と売りたい人の条件が合致して、取引が成立した状態を約定といいます。

注文は銘柄+数量+値段を指定して行います。

 

値段の指定方法


株式の値段は「指値(さしね)」「成行(なりゆき)」の二種類のどちらかで示します。
他にも指定方法はあるのですが、まずはこの2つを覚えておけば良いです。

 

指値(さしね)


指値注文とは、買う(または売る)値段を指定する注文方法です。
 例:ドコモ100株を3,000円で買い
 例:NTT500株を2,500円で売り

指値注文は、買い注文であれば指値以下の株価、売り注文であれば指値以上の株価にならなければ、約定しません。

3,000円の指値で買い注文を出せば、株価が3,000円以下にならなければ注文は成立しません。
また、2,500円の指値による売り注文は、株価が2,500円以上にならないと注文は成立しません。

 

成行(なりゆき)


成行注文とは、値段を指定しない注文方法です。
 例:ドコモ100株を成行で買い
 例:NTT500株を成行で売り
「成行の買い注文」を出すと、そのときに取引所に出ている最も低い価格の売り注文に対応して、即座に注文が成立します。
同じく「成行の売り注文」の場合は、最も価格が高い買い注文に対応して、注文が即座に成立することになります。

早く株式を売買したい場合に有効ですが、思わぬ高値や安値で約定してしまうリスクがあります。

 

約定の仕組み


約定は、『板寄せ方式』『ザラバ方式』の2種類で行われます。

板寄せ方式・・・証券取引所が閉じている間に出された注文を約定する
ザラバ方式・・・証券取引所が開いている間に出された注文を約定する

 

それぞれについて解説します。

 

板寄せ方式とは


証券取引所では午前8時から午前9時までの間は注文の受付けを行っていますが、売買は行われていません。
このため、取引所が開くころには、売り注文と買い注文が多数交錯することになります。

このように、注文が交錯している状態から売買を成立させる場合は、「板寄せ方式」により売買を行います。
「板寄せ方式」では、以下の3つの条件を満たす値段で売買が成立します。

【条件1】成行の売り注文と買い注文すべてについて約定すること
【条件2】約定値段より高い買い注文と、約定値段より低い売り注文がすべて約定すること
【条件3】約定値段において、売り注文または買い注文のいずれか一方すべてについて約定すること
(上に行くほど優先度が高い)

 

板寄せ方式おける売買の流れ


以下は取引所で売買開始前の状況です。

板
上記のような表現を「板」と呼びます。よく出てくる用語なので、覚えておいてください。


次に、板寄せにおける約定の流れを示します。

①始値を決める


まずは、売りと買いのバランスがとれる値段を探します。

具体的には「売り注文」と「買い注文」のそれぞれ累計数量が逆転する値段を探します。

 

バランス


この場合、累計数量が逆転する値段は501円と500円になっています。このどちらかの値段で始値が決定することになります。
今回は500円を始値と仮定します。
なお、板寄せで約定する場合は、この始値で全て売買されます。 

 

②売り成行注文と買い成行注文を約定させる


3つの条件の中の【条件1】を満たすために買いと売りの成行注文をすべて約定させます。

成行


この時点では買い成行注文はすべて約定し、売り成行注文の200株が残ります。

 

③始値より高い買いの指値注文と始値より低い売りの指値注文を約定させていく

 

次に売り成行注文の残り200株と、【条件2】のとおり500円(始値)よりも低い売り注文600株と、500円より高い買い注文800株を約定させます。

指値


これにより、成行注文、500円より安い売り注文と500円より高い買い注文は残りませんので、【条件1】と【条件2】を満たします。

 

④売りまたは買い注文のいずれかがすべて約定する状態にする

 

最後に、500円の売り注文400株と、500円の買い注文1,000株を約定させます。

始値約定


これにより、売り注文400株すべてが約定し、買い注文についても400株約定します。
板寄せが行われた結果、始値500円で売買が成立しました。

始値が決まった後の板状況は501円の売り注文が2,000株、500円の買い注文が600株となります。

 寄せ終わり

 

ザラバ方式とは

(※ザラバの説明図が間違っていたので、修正しました)

始値が決まった後から終値を決める前までの間(ザラバ)の株価を決定するのがザラバ方式です。
「すでに発注されている売り注文(または買い注文)の値段と、あらたに発注された買い注文(または売り注文)の値段が合致した」ときに売買が成立します。
「ザラバ方式」では、以下の2つの原則に基づいて売買が成立します。

価格優先の原則

買い注文については値段の高い注文が値段が安い注文に優先し、売り注文については値段の安い注文が値段の高い注文に優先します。

時間優先の原則

同じ値段の注文の場合、取引所が受付けた時間が早い注文が遅い注文に優先します。
ただし、同時に受付けたとみなされる注文については、「時間優先の原則」は適用されません。

昨今は電子化による高速処理を行っているので、厳密には同時注文は起こらないかもしれませんね。

ザラバ方式における売買の流れ

 

ザラバでの株価の決まり方を注文別に見てみましょう。

①成行で200株買い注文
②498円で1000株売り注文


が続けて発注された場合を想定します。

注文前の状態は以下とします。

ザラバ

①成行で200株買い注文

発注された買い成行注文は、最も安い501円の売り注文と値段が合致するので、501円で売買が成立します。

ザラバ-1


②498円で1000株売り注文

一番高い買い注文である500円600株の買い注文と約定、次に残った400株は499円の買い注文と約定が成立します。

ザラバ-2

 

 

最後に

今回は約定に関する基本的なことを説明しました。
他にも細かい条件などがあります。

知らなくても売買に影響はないとは思いますが、興味のある方は調べてみてください。

初心者はあまり安値・高値を狙いすぎず、「成行」で取引を始めることをおすすめします。

 

今回で初心者入門は一区切りつけたいと思います。

リクエストがあれば再開しますので、コメント欄にご希望をお寄せください。

 

最後まで見ていただき、ありがとうございます。

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