先日、アメリカでこんなニュースが飛び交いました。
日本ではワールドビジネスサテライトで少し取り上げた程度で、ほとんどのメディアは扱っていません。
キャピタルゲインとは
私のブログを読んで頂いてる方なら、説明は不要かと思いますが、念の為補足しておきます。
キャピタルゲインとは、株式や債券など、保有している資産を売却することによって得られる売買差益のことです。
例えば、株価30万円で購入した株式が、35万円になったときに売却した場合、差額5万円(手数料・税金を除く)がキャピタルゲインになります。キャピタルゲインは、株や債券だけでなく、不動産、金、プラチナなどの貴金属を売買することでも得られる可能性があります。
売却することによって損失が出た場合はキャピタルロスといいます。
キャピタルゲインに対し、資産を保有していることによって得られる収益(利息や配当等)をインカムゲインといいます。
税率はおよそ2倍に
今回の法案が通れば、税金が20%から39.6%になり、ほぼ2倍です。
100万円利益が出たら、40万円は国に持っていかれます。
投資家からすれば、とんでもない話です。
様々な情報を集め、かつリスクを負って出した利益に対して、簡単に税率を挙げられてはたまりません。
今回の対象は、所得が100万ドル(約1億800万円)以上の個人に限定されているため、一般庶民には関係ありません。
要するに、多数票を持っている層への人気取りです。
富の再配分とは?
一般的に「富の再配分」と聞くと、悪どい金持ちから善良な庶民へお金を移動させ、所得を公平にするように思われます。
しかし、これらの前提として「悪どい」金持ちが必要です。
今回の槍玉に挙げられている「所得100万ドル」以上の金持ちは、等しく「悪どい」のでしょうか?
彼らの多くは企業経営者であったり、投資家です。
経営者は企業の経営責任を追っており、業績次第ではいつクビになるとも限りません。
また投資家は、自己資金をリスクに晒すことで、リターンを得ています。
どちらも左団扇でやっているものではなく、大きなリスクと責任から得られる成果です。
これらの成果を、責任を追わずに労働している一般庶民に分け与えることが、果たして「公平」なのでしょうか?
私はどう考えても庶民側の人間ですが、経営者や投資家が得た利益を恵んでもらいたいとは思いません。
確かに20%は低い
日本でも、キャピタルゲインに対して20%の課税があります。
それに比べ、所得税の最大税率は45%です。要するに高給取りは超課税される訳です。
これだけを見ると「資産家優遇」と思う人も居るかもしれませんね。
しかし、投資は誰でもできます。金持ちだけが20%になる訳ではないんです。
機会は公平に与えられています。
一般庶民は制度を活用していないだけです。
「投資は怖い」「リスクがあるからやりたくない」と言って避けた結果、金持ちが更に金持ちになっています。
結局富は庶民に渡らない
今回の法案が通ると、庶民にお金が渡ると考えるのは間違いです。
金持ちは勤勉です。必ず抜け道を探します。
例えば、会社や財団法人を起こして資産を移すなんてことも考えられますね。
口を開けているだけで、食べものが降って来ることがないように、富も降ってきません。
経営者や投資家がやっているように、自分の資産は自分で築くしかありません。